これまでの授業の内容のテストをしました。
あいさつ、自己紹介からはじまり、ごはん作り(米を炊く)に必要なもの、ゴミの仕分け、時計の読み方、手の洗い方、数字の読み方、物の名前です。
物の名前に関しては石鹸、タオル、歯磨き粉など、全て実地に活用できるものばかりです。
あいさつの場面
子ども:「おはようございます」(おじぎする)
私: 「おはようございます」(おじぎする)
私:「はい! ここで大事だったのは何だった?」
「目と目を合わすことでしたね。それと? 笑顔でしたね。ニョニュム(クメール語で笑顔)」
私:「あなたのお名前を言ってください」
子ども: 「こんにちは!私はスレイパイです。
どうぞよろしくお願いします。」(おじぎする)
私: 「はい。よろしくお願いします。」(おじぎする)
私:「1から60まで数を数えてください」
子ども:「1、2、3、4、6、8、10・・・」
こんな具合に進みました。
自己紹介では子どもたちはこれまでに何回も練習してきたのでしょう。間違う子どもはいません。
数字は5(ご)が抜ける子どもが多いのと、7.8が難しく、時計の勉強をしてからは4と9も苦手になってしまったようです。
4は”よん/し”と読みますが、時刻となると4時(よじ)、9も同じく”きゅう”と読みますが、時刻では9時”くじ”です。
ここら辺りが混乱のもとで、子供達を悩ませています。
私:「これは何ですか?(歯磨き粉を指して)」
子ども:「それは はみがきこ です」
私:「(遠くのレンガを指して)あれは 何ですか?」
子ども:「あれは レンガです。」
私:「これは歯ブラシですか?(タオルを持って)」
子ども:「いいえ。それは 歯ブラシではありません。それは タオルです。」
と続きます。
「それは」「これは」「あれは」と日本人でもややこしくなりやすいのに、答えなければなりません。(笑)
そして、
私:「手を洗ってください。」
子ども:教えたとおりに、手のひら、手の甲、指先、指と指の間、手首を洗うまねをします。
私:「ゴミを捨ててきてください」
子ども:燃えるゴミと燃えないゴミを分けて捨ててきます。
手を洗うことも、ゴミを捨てることも、全員正解でした。
なのに、ゴミが床に落ちていても平気なんですけれどね・・・。
こうやって、1人ひとりのテストは終わりました。
習得度は個人によって異なります。
だけど、これを少しでも覚えて続けてほしいなと願います。
子ども達の姿を見ていて、九九を必死で覚えたことを思い出しました。
よくわからないけれど、先生がテストするから と言って声に出して、覚えたよ
なぁ。そして、言えたときは嬉しかったはず。
今の子ども達にとって、
日本語が話せることが重要なのではなくて、がんばって力を出すことが大事なん
だよ。きっと、今は。
いやなこと、面倒くさいことに向き合って逃げないこと。
勉強ができても、挨拶ができないのは寂しい。
不潔で、汚い格好でも平気だったり、他人のことなんかどうでもいいというのは悲しい。
勉強なんてできなくても、元気で、明るくて、素直で、いつか人の役に立つような
思いやりのある子に育って欲しい。
そんな風にいつのときも世のお母さんは思っているのではないかなぁと思います。
この孤児院の子ども達はそれに、さらに今から必死にがんばらないといけない。
だけど、みんながいるから出せる力、協力や助け合いもできる。
あなたたちは決して、見放されていないよ。愛されているよ。
私も今できる愛を精一杯出して帰りたいと思います。
(Reported by TOMIKO)