Cambodia 孤児院支援*現地レポート*自立人道支援プロジェクト

カンボジアのPCO孤児院★現地滞在のボランティアスタッフのレポートブログ*(2010年5月~)


2011年2月22日火曜日

2月21日(月)ごめんなさい <大久保>

日本語の授業を受けるときには、予め作った出席カードが必要です。
出席カードがない人は授業を受けることができません。
カード自体は自分で管理をしてもらっています。

夕方、「とみこさん ○○さん、悪い。」と言って、ぼろぼろになった出席
カードを持って1人の女の子(10歳)が怒った顔で私に見せます。言いに
きた女の子はいたずら好きで、「お手伝いして」と言っても、普段からなん
とか、抜け道を見つけて、遊ぶ女の子。今日も私から怒られたばかりの
女の子です。

今に始まったことではないですが、子どもはときに残酷です。
自分以外の誰かが悪いこと(いけないこと)をした時に、言いに来るその
ものの言い方がきついことなんのって。

「とみこさん 凝らしめてやってください」と言わんばかりの剣幕です。
それをそばにいる数人がよってたかって言いつけます。そして、私が
どういった行動に出るのか、じっと見つめています。まるで、裁判官の
「主文、被告人は有罪です」という判決を待つ傍聴人のようです。

今日の場合の真相は、その言われた張本人(6歳)がやはりやったこと
でした。しかし、どんなに怒られても、(先生やお母さん代わりの人に)泣
かない子が、私の見えないところで、男の子に乱暴に言われたのかな?
叩かれたのかな?珍しく、泣きじゃくっていました。

真相を知りたいけれど、外野が多くて、話がわかりません。
二人きりになって、紙をやぶる真似をして、「やったの?」と聞いたら、
「はい」と答えます。「どうして?」と言っても通じるわけもなく・・・。
「『ごめんなさい』と言えますか?」と聞くと
「ごめんなさい」と言います。
「私ではなくて、彼女に言える?」と聞くと
「はい」と言うので、一緒に彼女に謝りに行きました。

そうして、彼女と向き合って、ちょこんと正座し、一度小さな声で
「ごめんなさい」と言いました。
しかし、彼女は他の子とふざけてあってて、耳に届かず、外野はすぐに
集まり、うるさく騒ぎます。もう一度、改めて謝ることができるように、その
場を静かにさせると、今度は謝る子どものほうが、物が言えません。
目に涙をいっぱいに浮かべて、こらえています。

やっとのことで「ごめんなさい」と謝りました。
謝られた子どもは返事ができません。そして、周りの子どもたちに促されて
「だいじょうぶです」と答えました。
私は「はい。これでお終い。」と言って新しいカードを作り直しました。


 あいさつの授業の中に、「ごめんなさい」という言葉が出てきます。
授業中に、「『ごめんなさい』と言ったら、返事は何と言うの?」と子ども達
に先に尋ねたら、「だいじょうぶです。」と返ってきました。

 「お~ そうか」と私は思ったものです。
(わたしは大丈夫ですとは言ったことがなかったので)
そして、「はい。いいですよ。」「これから気をつけてください」を教えました。

(しかし、後日談ですが、実際には「ごめんなさい」と言われて、
「これから気をつけてください」なんて、私が言えることが少なかったので、
「許しません」も後に追加しました。)

 そんな矢先、私のボールペンがありません。
「ボールペンがない~!!」と言うと、みんなが注目して、探し回ります。
「私は持ってないよ。持ってないよ。」とジェスチャーで子供たちは訴えます。
ある程度探してもなく、自室に戻ると、なんと 嫌~~なことに私の机にある
じゃないですか!!

(あ~ 嫌な感じ。みんなをそんなに疑ったわけではないけれど、バツが
めっちゃ悪いやん。見過ごすか。いやいや。)
と心の中でつぶやきながら、
「みなさ~ん 聞いてください。みなさ~ん。ごめんなさい。
私の部屋にありました。」と謝ったら、間髪入れずに、子供たちは笑いながら
「大丈夫です!」と言いました。

やさしいね~。

自分に非があったとき、素直に謝ること。ちょっと恥ずかしかったり、気まず
かったりするけれど、結局言った本人が楽になれるんですよね。前述の
女の子も、すきっとして、何事もなかったよう に「おやすみなさい」と言い
に来ました。
さすが!変わり身が早い。これでいいんですよね~

子どもはとっても面倒くさいけれど、面白いなぁと思えるようになってきました。




(Reported by TOMIKO)