Cambodia 孤児院支援*現地レポート*自立人道支援プロジェクト

カンボジアのPCO孤児院★現地滞在のボランティアスタッフのレポートブログ*(2010年5月~)


2011年7月13日水曜日

7月11日(月)日本の物のすばらしさ <船津>

現在、PCO孤児院では、滞在ボランティアスタッフが利用する宿舎が建設されています。
完成までは、今までPCOに滞在していた日本人ボランティアスタッフのみなさんが宿泊していた部屋をそのまま使わせて頂いています。
8畳くらいの広さの部屋で、お隣の子どもたちとは、ゴザのような薄い壁で仕切られています。声が筒ぬけなので、部屋で仕事をしている時も、子どもたちの笑い声、歌い声がよく聞えます。

昨年のPCO孤児院に滞在されたボランティアの目的は、孤児院の生活の現状調査と現状から改善するための生活指導でした。
子どもたちとの生活を一緒に体験し、現状を見てくるということが一番の目的でした。食事もPCO孤児院のスタッフの方が作ってくださる子ども達と同じ釜のご飯を食べ、文字通り寝食を共にした生活。

そして、今回の滞在の目的は、昨年の調査結果を生かし、自分が衛生面・清掃面・整理整頓など目に見える形のものの手本となることで、子どもたちに正しい大人の言動を示すことを最優先の課題として滞在させて頂いています。
日本人の生活スペースを確保し、そこにむやみに子どもを立ち入らせない、まずは自分がやっている姿を見せるということを徹底して行うという課題のもと、子ども達と生活をしています。

食事も子どもたちとは別で、1人分を自分で作り頂いています。子どもたちは、見たことのないフライパンや調味料がめずらしく、初めは近づいて聞いてきたり、「一緒にご飯を食べましょう」と言ってきたりしていました。
しかし滞在が始まり1週間になり、最近では、かまどが空いたら教えてくれたり、炭を割るのを時々手伝ったりしてくれますが、基本的にだまって遠くから見ています。
適度な距離間があるものの、いつもじっと見ている子供たちの目。気を抜くわけにはいきません。

ここへ来て、つくづく感じるのが、「日本の製品が丈夫であること」です。
カンボジアには、中国からのものがすごい勢いで入ってきていると聞きます。

ここでの滞在にあたって、鍋、やかん、ポット、食器などを揃えていただきました。
例えば「やかん」。少し離れてみると、見た目はかわいくて、そんなに日本のものと変わりませんが、持ってみるとその軽さにびっくり。薄いアルミのようなもので出来ていて、沸騰すると表面がへっこみます。蓋の取っ手は見た目の凹凸だけで、取っ手の役割を果たしていません。


そして、ポット。朝にまとめてお湯をかまどで沸かし、朝食にヌードルを頂き、昼にご飯を炊くためのお湯をキープするのに重宝していましたが、なんと数日使っただけで底が抜けてしまいました。

底は、ねじなどの止め具はなく、ペットボトルの口のような閉め方をして使うタイプのものでした。

子どもたちが洗濯用に使うプラスティックの「たらい」を、前回の訪問の際寄付されたのですが、それもほとんど壊れてなくなっていました。孤児院に来た日は、なぜ「たらい」がないのか?疑問に思いましたが、実際に滞在してみて納得。たしかに子どもの煩雑な使い方もあるかもしれませんが、圧倒的に製品がこわれやすいです。

知恵と工夫、当たり前にあるものがなくなって初めて、日本製品のすばらしさを実感しています。それをどこまで