Cambodia 孤児院支援*現地レポート*自立人道支援プロジェクト

カンボジアのPCO孤児院★現地滞在のボランティアスタッフのレポートブログ*(2010年5月~)


2011年7月26日火曜日

7月25日(月)見た目より大切なこと <船津>

滞在が始まった当初から、子どもたちの髪の毛にしらみがついていたので、学校が夏休み入ったら髪を短く切る話をしてありました。小さい女の子は「早く切っ て欲しい」と言ってきた子もいました。自分達も、頭が相当かゆかったと思います。「虫がいなくなってきれいになるね。きれいにしましょうね」と言うと、と てもうれしそうににっこりと笑います。

しかし、小学高学年以上の子、高校生の子は、長い髪を切ることに抵抗がある様子でした。

はじめに、子どもたちになぜ髪を切るのか説明をしました。「丸刈りにしなくても短くなるだけでも、衛生的によくなります。髪の毛はすぐ伸びるし、見た目よりみんなの体のほうが大切です。」
ス ンタン先生に通訳してもらいながらの説明に、クメール語を話せない自分が情けなくなります。しかし、日本語で話していても、心を込めて真剣にゆっくり話を すると、勘のいい子どもたちは私が何を言っているのか、感じ取ってくれていることが最近よくあります。子どもたち一人一人の目を見て話をしました。

「か ばこさんは、髪を切ったことがありますか?」とスンタン先生にみんなの前で聞かれました。「いえ。ありません。でも大丈夫です。切れます。問題ないで す!」(なぜか自信たっぷりの私。ちょっとその自信は大丈夫?と心の中で自問自答。実は自分の髪も切ったことないけど勘弁してね・・・と心の中でつぶやき つつ)
「それでは、かばこさんお手本を見せてください。その長さに他の子もみんな切ります」と(いきなりお手本?大丈夫?私)
ここもここ へ来て、おかげさまで、いろんな枠を外してもらっています。ハサミをとり、子供たちに不安を察せられないように、一人目の子の散髪をはじめました。以前、 この孤児院にに滞在ボランティアをされた気賀澤さん(美容が本職の方です)に髪の毛を切ってもらったことのある子ども達は、「しおりさん。しおりさん」と つぶやきます。(いやいや全然違うから・・・)

一人汗だくになり、なんとか1人目の子がカット終了。見かねたカムロンさんやスタッフの方が手伝ってくださいました。(カムロンさんは、さすが3人のお母さんです。ハサミ使いが違いました。)本当に何もできなくてすみません。。

まずは、切りたくて待ち構えていた3人から。最初から丸刈り志望で普段から男勝りの元気のいい子達です。それから小さい子2人は、地肌が見えるように短く切りました。
切ることに抵抗のある2人は、部屋にこもったままなので。。。次は私です。



私が髪を切ることに心配そうなスンタン先生。「かばこさんは、虫がいないので、切る必要はありません」と周りのみなさん。男の子もみんな集まってきました。
「私 が切りたいから切るだけです。私は子どもたちのお手本を示すこと、自分がやって見せるという機会をセアロ、亜弥迦さんから頂きました。私にできることは少 ないですが、遊びではなく本気ということを見せたいです。そのためにここへ来させていただいています。必要あるとかないとかではなくて自分への気合で す。」

私が髪の毛を剃ると、さっきの短く髪を残した小さい子達が自分も剃りたいと言ってきました。それから、数名の男の子たちも自分も切りたいと言ってきました。みんなで丸刈りになったらシャンプーもいらないね・・・











しばらくすると、部屋にこもっていた小学校高学年の女の子が部屋から出てきて、「学校が休みになるあと1週間だけ待ってください」と言ってきました。

「学校が休みになってからで大丈夫ですよ。髪の毛より大切なのは、自分の体や身の回りをきれいにすること。周りの目や小さいことは気にしない強い心を持つこと。」彼女の目をみつめて話をするとちいさくうなずいてくれました。
自分自身の心がもっと強く、穏やかになれるよう自分に言い聞かせました。日本にいたらできなかった体験です。ありがとうございます。

(reported by KABAKO)