Cambodia 孤児院支援*現地レポート*自立人道支援プロジェクト

カンボジアのPCO孤児院★現地滞在のボランティアスタッフのレポートブログ*(2010年5月~)


2011年7月10日日曜日

7月9日(土)個性が光る子どもたち <船津>

現在PCO孤児院では、22名の子ども達が共に暮らしています。年齢も下は4歳から20歳までと幅広くそ個性も様々です。子ども達を見ていると、勉強が好きな子、掃除が得意な子、洗濯をきれいにする子、体を動かすのが得意な子、覚える早さも集中力もまちまちで、見ているとこういう一面もあるのかと気付かされたり、驚かされたり、感動したり、あっという間に1日が終わります。

ここでは、上の子が下の子の世話をよくしています。スンタン先生の教えを守り、大きなひとつの家族という感じがします。これだけ同じくらいの歳の子どもがいれば、ささいなケンカも日常茶飯事。自分も子どもの頃、毎日弟とケンカをしては、叱られていたことを思い出します。ケンカして泣いているかと思えば、次の瞬間には手を握っていたり。

今日も、気付けば1人の女の子が教室で大泣きしています。理由を聞いても、泣いていて答えられません。周りの子ども達に聞くと、その女の子が男の子のノートに落書きをしていたずらをしたのがケンカが始まりのようでした。母親がよく兄弟ケンカしていた私に、どっちにも理由があるから、どっちも悪い。両方謝りなさいと言っていたなと思いながら、同じことを口にしている自分。

両方に謝るように促すと、男の子が素直に「ソームトーホ(ごめんなさい)」と謝りました。それでもなかなか泣き止まない女の子。少しだけ当たり所が悪くよっぽど痛かったようで。男の子は、痛がる女の子を見て、何度も「ソームトーホ」を繰り返します。心から反省している様子でした。すると女の子も「ソームトーホ」。
兄弟や友達とケンカをして自分で痛みを味わって、大人になるまでの間にみんな体験してきたことですね!当たり前のことが新鮮で、時々どういったらいいか分からなくなったときは、自分は子どもの時、親や学校の先生にどう言われたかななんて思い出しながら。。

自分で痛みを知って、してはいけないことを体験し感覚で覚えていくのだと思います。子ども達の中には、子ども達なりの社会があって、その中でそれぞれの個性があって、ケンカしつつも、助け合っているのが見られます。

来たばっかりで、日本語が全くわからない女の子には、同級生くらいの子達が、一生懸命クメール語で伝えてくれます。その子は、整理整頓、洗濯が大人もびっくりするくらいきちんとしています。
洋服をおおざっばに洗う子どもが多い中、その女の子は、汚れたところをつまみ洗いし、きちんとしわを伸ばして干しています。
その手つきの美しさにうっとりしてしまうほどです。どんな躾をうけてきたのだろう。。いつもは、みんなから日本語を教えてもらっている彼女は、今日はみんなに洗濯を教えながら、他の人の洗濯を手伝っていました。
日本のみなさんから届けられたTシャツ、「大切にしないと新しいものは渡せません」とスンタン先生から教えられている子どもたち。しかし、なかなかそれが難しいようで。

今まで滞在していたメンバーのみなさんも、洗濯実習やそうじの仕方を伝えてこられ、少しずつ改善しているものの、なかなか定着にはいたらず。
大人でいつも見てくれている人がいないというのは、子どもたちにとって大きなことだろうと思います。
「見られているからする」「見られていないからしない」という大人にならないように育つには、自分でお手本を示して、心で伝えてけるように努力したいと思います。

写真は、7歳の女の子です。いつも1人で誰に言われるでもなくみんなの靴を揃えます。自分からすすんで誰が見ているでもなく靴を並べる姿、遠くから何度も見かけました。大人の靴を、子どもが揃える姿。大人がお手本となれるように、自分の言動にもっと気をつけたいと思います。






昨日より、授業の最後に子どもたちへ宿題を出しています。全員ではなく、勉強をしたい人だけ、夜8時までに持ってくるように伝えてあります。昨日は、持ってきた子どもが5名でしたが、今日は10名くらいになっていました。薄暗い明かりの中、自習もよく頑張っていました。