Cambodia 孤児院支援*現地レポート*自立人道支援プロジェクト

カンボジアのPCO孤児院★現地滞在のボランティアスタッフのレポートブログ*(2010年5月~)


2011年8月12日金曜日

8月11日(木)「ありがとう」と「ごめんなさい」 <船津>

日本語をあまり話せない小さい子どもたちも「ありがとう」と「ごめんなさい」はよく言えます。授業に1分でも遅れたら駆け寄ってきて「ごめんなさい」。授業中「トイレに言ってもいいですか?」「どうぞ」戻ってきたら「ありがとうございました」。掃除の道具や筆記用具を貸してもらったら「ありがとう」

私も1日何度も子どもたちに「ありがとう」。日本では、なかなか言えない「ありがとう」と「ごめんなさい」。ここではなぜか素直に言えます。ちょっとしたことでも「ありがとう」が心から言えると気持ちいい。子どもたちに改めて教えてもらいました。


先日、初級クラスの授業中、雨の中スタッフの方がびしょぬれで孤児院に来られ、支援物資のタオルをお渡しさせて頂きました。子どもたちにいつも何か渡す時は必ず「セアロからです」と伝えています。

スタッフの方にタオルをお渡しすると、お礼を言ってくださるので「セアロからです」といつもの通りお伝えしました。すると、子どもたちがかけよってきて、そのスタッフの方に仏様とセアロにこうやって「ありがとう」をすると三礼を教えていました。学校もまだ行っていない子どもが、大人に身振り手振りで伝え、自分が三礼をして見せている姿を見て、ほほえましく、たのもしくみえました。



また今日は、小学生の女の子が、誰から言われた訳でもなく、敷地内に落ちていた石(花器?)を拾ってきて、綺麗に洗い花を摘んで仏様にお供えしていました。その素朴な生け花がとても美しく見えたのは、その子の心が詰っているからなのでしょうね。

9歳の女の子がしたとは思えないくらい活け方も上手で驚きました。もっと小さい子も、その子が花を活ける姿を食い入るように見つめていました。そして、お花を指差して「リナさん。リナさん」とうれしそうに微笑んでいました。


朝や夜のご挨拶を忘れてしまうこともまだまだありますし、決して全員ではありません。でも、子どもたちにとって、この仏様のいらっしゃる場所は特別な場所になっていることを感じます。

素直な子どもたちの心に、私の心も洗われているような気がします。いっぱい叱っても、次の瞬間にはにっこりと笑うことができます。「嫌われたらどうしよう、こう言ってもいいのかな、言い過ぎたかな」変な遠慮や気遣い、そこに複雑な感情は一切ありません。

日本に帰っても、今、子どもたちに教えてもらっている自分で、素直に「ありがとう」と「ごめんなさい」が言える心でありたいです。

(reported by KABAKO)