Cambodia 孤児院支援*現地レポート*自立人道支援プロジェクト

カンボジアのPCO孤児院★現地滞在のボランティアスタッフのレポートブログ*(2010年5月~)


2011年8月17日水曜日

8月15日(月)単語帳 <船津>

日本から持参していた単語帳を子どもたち全員へ渡しました。年長の子が持っている日本語・カンボジア語の辞書に憧れる子どもたち。
「単語帳に、わからない言葉をカンボジア語と日本語で書いておくといつでも見れていいです。大切に使って、日本語を勉強しましょうね」

いつも朝食が終わると外に出て遊んでいる声が聞えてきます。今朝は、誰一人外に出てきません。何か静かだなと思い、教室をのぞきにいくと・・・

大きい子も小さい子も一緒に混じって単語帳とノートや辞書を広げて勉強中。教わりながら、単語帳を読む練習をしている子もいました。

夏休みに入り、時間がたっぷりある子どもたち。いつもは、授業以外に勉強している姿はあまりみかけません。この真剣に勉強している姿。よっぽど単語帳が気に入った様子です。

















そして、一端宿舎に戻り、授業の開始時間。教室に行くと、女の子2人が駆け寄ってきて「ごめんなさい」と言います。

「何が、ごめんなさい?どうしたの?」と聞くと、二人とも背中に隠していた単語帳を申し訳なさそうにさし出します。
1人は「かみが、1まいとれました。ごめんなさい」
そしてもう1人は、「わたしクメールご。ない。ごめんなさい」と言います。

なんてかわいいんだろうと思わず微笑んでしまいました。当初、煩雑に扱っていたノートや鉛筆を今は大切にできるようになりました。セアロから頂いたものを持って「セアロ。セアロ」とよく小さい子同士見せあいっこ。本当にうれしそうです。

クメール語がわからない子は9歳で未就学。最近、孤児院に来た子で、今度の9月から学校に通えるようになりました。カンボジアでは、まだまだ学校にいけない子がたくさんいるそうなので、本当によかったです。

この子は、いつも日本語の授業に参加し、きれいにノートを書きます。これには、感心します。同じくらいの学校に行っている子より、書くスピードが早くてきれい。「あいおえお」も「あいさつ」もこの1ヶ月半でだいぶ覚えました。

「スレイレンさんは、クメール語より日本語を先に覚えてしまいましたね。クメール語は、その言葉の絵をかいてください。9月に学校に行ってクメール語を勉強したら、クメール語で書きましょうね」と伝えると「はい」とにっこり笑って席に戻りました。私の言うこの日本語が、わかるの・・・?

単語帳が破れてしまった子には、セロテープで補修して返しました。「ありがとうございます」と深々と頭を下げ両手で受取ります。


子どもたちの素直な心に感心しつつ、さて自分はどうなのか?自分は心から感謝し大切にものが使えているのか?子どもたちに伝える言葉が、全部自分への問いかけとなって返ってきます。

滞在中、子どもたちのおかげで、今まで気付かなかった自分、改めて感じる自分の癖、思考、感動、いろんな自分を見せてもらいました。これから先も、何年何十年かかっても、この頂いた体験を生かし、子どもたちに恥ずかしくない自分になりたい・・・滞在もあと10日です。

(reported by KABAKO)